我国では、戦後の一時期,一連の冤罪事件が発生し、
(a)捜査官による被疑者の素行やそれに関する風評の過度の重視
(b)自白の獲得を捜査の最重要目標と位置付け,これに均衡を失した努力を払うなどの不当な姿勢や,その一方で
(c)事案の重要部分とそうでない部分の適切な区別を知らず
(d)客観的証拠の重要性にほとんど考慮を払わない
などの不適切な捜査が横行していることが,大きな社会的問題となった歴史が存在する。
https://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail4?id=7838
警察官は、積極証拠か消極証拠かを問わず、捜査を行い、証拠を収集しなければならない。
https://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail4?id=88434
検察官による公訴提起は、被告人となる者に対し、刑事訴訟手続に応じる経済的,精神的負担等の多大な負担を生じさせるものであるから、検察官は、公訴提起の判断をするに当たり、犯罪の成立が認められるかを客観的に検討すべきであり、犯罪の成立を基礎付ける証拠のみならず、犯罪の成立を否定する方向に働く消極証拠にも注意を払い、積極証拠及び消極証拠のいずれについても、その証拠力を慎重に吟味し、検討する必要がある。そのため、司法警察員から送致を受けた証拠を確認した検察官において、犯罪の成立を客観的に判断するのに足りないと思料した場合には、自ら又は司法警察職員を指揮して補充捜査を実施し、証拠の収集に努めることが要求される。
https://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail4?id=90954