君子豹変

調査嘱託回答拒否メモ

●調査嘱託

裁判所は、必要な調査を官庁若しくは公署、外国の官庁若しくは公署又は学校、商工会議所、取引所その他の団体に嘱託することができる(民訴法186条)

調査嘱託を行う者の権利を保護する
公法上の回答義務がある
正当な理由があれば回答拒否はやむをえない

送達場所は住所等にする(民訴法103条1項)

●回答拒否に対する損害賠償請求事件

平成24年5月22日地裁判決
https://aoi-law.com/pdf/240522.pdf

調査嘱託は民訴法151条1項6号に基づく。
民訴法151条2項で民訴法186条を準用。

官庁若しくは公署又は学校等の団体が職務上又は業務上保有する客観的な情報について、簡易かつ迅速な証拠の収集を可能とするもの

★回答義務

正当な事由がない限り、調査嘱託に対して回答すべき義務を負う
嘱託先が調査嘱託をした裁判所に対して負う一般公法上の義務
調査嘱託を申し立てた訴訟当事者に対して負うものではない

秘密保持義務と調査嘱託に対して回答すべき義務の優劣

氏名、住所及び電話番号は人が社会生活を営む上で、一定の範囲の他者に対しては開示されることが予定された情報であり、個人の内面に関わるような秘匿性の高い情報とはいえず、プライバシーをに関わる情報とはいえ、これが開示されることによって当該情報の主体に生ずる不利益は大きなものではない。

調査嘱託は、官庁若しくは公署又は学校等の団体が職務上又は業務上保有する客観的な情報について、簡易かつ迅速な証拠の収集を可能とするものであり、嘱託先が調査嘱託に対して回答すべき必要性は高い

嘱託事項に対して回答すべき義務は、秘密保持義務に優越するものであり、調査嘱託に対する回答を拒絶したことについて、正当な理由はない。

本件調査嘱託は、訴状副本及び期日の呼出状等を送達するために行われるものである

調査嘱託は、裁判所が職権により又は当事者の申立てを審査した上で行うものであり、濫用的な調査嘱託の利用を排除する制度的な保障が設けられているといえることから、調査嘱託に応じて開示したからといって弊害が生ずることはない

確認の訴えについて訴えの利益があるというためには、原告の権利又は法律関係について危険又は不安が現に存在し、かつ、それを除去する方法として、原告と被告との間でその権利又は法律関係について確認することが有効かつ適切であると認められることが必要である。
通常の確認の訴えと中間確認の訴えとで何ら異なるところはない。

調査嘱託に対して被告が回答することによる利益は、原告にとって反射的利益にすぎないのであって、被告が回答しないことによって権利又は法律関係について危険や不安が現に存在するとはいえない

訴訟物に対し前提の関係をなすところのある権利に争いが生じていると評価することはできないから、中間確認の訴えには、訴えの利益が認められない。

平成24年10月24日高裁判決
https://aoi-law.com/pdf/241024.pdf

公正さに疑問を抱かせないような客観的な事項について調査を嘱託し、その調査報告を証拠資料とする簡易・迅速な証拠調べ
証人尋問のような規制は必ずしも必要ではない

★回答拒否は義務違反に当たる

嘱託先の回答義務は、調査嘱託をした裁判所に対する公法上の義務であり、調査嘱託の職権発動を求めた訴訟当事者に対する直接的な義務ではない

★権利侵害による財産的損害が必要、確認の利益が必要

公法上の義務に違反したことが直ちに訴訟当事者に対する不法行為になるというものではない

調査嘱託の回答結果に最も利害を持つのは調査嘱託の職権発動を求めた訴訟当事者であるところ、この訴訟当事者に対しては回答義務がないという理由のみで不法行為にはならないとするのは相当ではない

調査嘱託を受けた者が、回答を求められた事項について回答すべき義務があるにもかかわらず、故意又は過失により当該義務に違反して回答しないため、調査嘱託の職権発動を求めた訴訟当事者の権利又は利益を違法に侵害して財産的損害を被らせたと評価できる場合には、不法行為が成立する場合もある

調査報告を通じて取得できた資料を基に住所を覚知するなどして有効な訴訟遂行を考えていた。
調査嘱託に対する回答がなかったことにより住所を知ることができなかった。
有効な訴訟遂行の権利が侵害されたとみる余地もある。

回答すべき義務があったのではあるが、義務違反が故意又は過失により行われ、その結果調査嘱託の職権発動を求めた訴訟当事者の権利又は利益を違法に侵害して財産的損害を被らせたとまで評価することはできない

★嘱託の目的明示が必要

単に本件調査嘱託事項のみが記載されているだけで、その目的の記載はない。
調査嘱託の目的が判明しない以上、秘密保持等のために回答を拒否したとしてもやむをえない。

致死的な病気に対する検査異常値、警察の虐待通告、有効な安全確認等の虐待対応を要する(緊急性)
理由もなく安全確認中止(安全確認義務違反)
条例を根拠とする理由がないのに回答拒否(故意の義務違反)
民訴法103条1項に基づく訴訟遂行を妨げて遅延させた(訴訟遂行の権利侵害)
安全確認等の必要な虐待対策の遅れによる精神的損害(損害)

メモ

裁判所の地位は実質、司法省管轄に戻っている。裁判官の独立は実質ない。人権派は排除されている。一件の事件の結果より、全体的な人権意識、憲法軽視が問題。法…

目標達成法

1つの抽象的な目標から複数の具体的な目標まで、目標を3段階に階層化する。抽象的な目標が自己意識、方向性、継続性、モチベーションと結びつき重要。上位の目…

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どんな小さな問題でも、その都度全員で話し合い、解決する。放置するなら問題が大きくなり、最悪の事態になりかねない。…

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